この併用効果は人の急性リンパ性白血病細胞を移植したマウスを用いた実験でも確認され、クロロキンを併用したマウスは、L-アスパラギナーゼ単独の投与のマウスよりも生存期間が長くなることが示された。
クロロキンはマラリア抗菌薬のほか、全身性エリトマトーデス治療薬としてすでに認可され使用されている。
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●患者に大きな希望
稲澤教授によると、血液のがん、急性リンパ性白血病は国内では年間400~500人が発症。現行の治療では5年生存率は8~9割で、毎年40人ほどが命を落とす。薬剤耐性が出たり、骨髄移植を余儀なくされたりするケースもある。
井上講師は3年半の歳月がかかった研究について「L-アスパラギナーゼの生理作用はあまり分かっていなかった。今回の研究でその一端を明らかにでき、新しい治療戦略の開発につながる可能性があると考えている」と語る。
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稲澤教授は「既存の薬を併用するため、医療経済的にも恩恵が得られる。がん細胞を死滅させる可能性として患者さんには大きな希望となる」と今後は創薬に向けて研究を加速させるとしている。
同研究は6月29、30の両日、文部科学省などの協力を得て東京医科歯科大学で開催する第1回国際がんプレシジョン医療カンファレンスで井上講師が発表する予定。